小さな集落跡
- 457 名前:雷鳥一号[sage] 投稿日:03/11/11 22:06
-  先輩の話。 
 下山中に道に迷った時のこと。
 藪漕ぎをしていると、小さな集落跡に出くわした。
 木は全て朽ち果て、石垣造りの火葬場らしきものだけが辛うじて形を
 保っていたのだそうだ。
 中を突っ切って下山を続けた。
 しばらくすると開けた場所に出た。
 ついさっき通り抜けたはずの集落跡だった。
 下りる場所を変えて下山を続けたが、また同じ集落跡に戻ってしまう。
 4度目に見覚えのある廃屋が見えた時、叢に埋もれた道祖神に気がついた。
 とりあえず、非常食用の乾パンを捧げて手を合わせてみた。
 その後20分も歩かないうちに里へ出られたということだ。
 


