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- 70 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/05/07(日) 00:52:59 ID:03dKBXwI0
- 知り合いの話。
子供の頃、実家の山でおかしな物を見たという。
棚田の側で遊んでいると、目の前の畦道で何かのたうっていた。
大きくて太目の蛇だった。青大将だろうか。
逃れようと必死でもがくが、奮闘空しくズルズルと田の中に引き込まれていく。
何が蛇を襲っているんだろうと、移動して正面から覗き込んでみた。
稲が作る列の間に、大きな頭が見えた。蛙だ、しかし生半可な大きさではない。
パクッパクッと口を開け閉めする度、確実に蛇体を呑み込んでいく。
あっという間に蛇を腹に納めると、蛙は泥の中に沈んだ。
思わず落ちていた棒で辺りの泥を探ったが、何も手当たりがない。
あれだけの巨体、見逃す筈はないのに。
夕食時、お祖父さんに見たことを話すと次のように教えてくれた。
儂らはタオヤジって呼んどるな。言わばあそこの主みたいなモンだよ。
うん? いンや、神様ってほどありがたいモンでもないな。
まぁ精々がモッケ(妖怪)ってところかの。
それからも度々そこに行ったが、再びタオヤジを見ることはなかったそうだ。