良い子は知らなくて良い雑誌

379本当にあった怖い名無し :2006/05/27(土) 18:16:13 ID:98FLaDRMO
去年の春の話
半ヒッキーだった俺は大学生活のストレスの為に胃をおかしくして、春休みを少し前倒しして実家にパラサイトしていた。
実家は中央アルプスの麓で、周りにはメイド喫茶も無ければ虎の穴も無い。おまけに家にはネット環境も無いというまさに秘境って言葉が似合う所だった。
しかし、初めの内は胃の中に腐海が形成されオームが這っていてそれ所では無かったが、体調の回復と共に暇を持て余してきた俺は、近所の小山に散歩へ行った。
山といっても丘みたいな物で、徒歩十五分の山頂には小さな祠が有るだけの物だった。
都会の喧騒が遠い昔のおとぎ話に思える様な静寂な雪道。
雪のせいなのか誰もまだ登っていないらしく、野生動物の足跡がたまに道を横切っている以外道には何の後も無かった。
雪のため山頂に着いたのは登り始めてから三十分程度たっていた。
久々の運動の為、まだ雪が積もっている往来で半袖になりながら額や鼻頭から汗が吹き出ていた俺(キメェww)は祠の近くの石に腰を下ろそうと祠に近付いた。
(山頂は15×15m位の広場みたいになっていて、祠は山道とは広場を挟んだ反対側に位置していた。)
祠まで後半分の所で足が止まった。と、言うより思考が停止した。

―馬鹿な…有り得ない…誰の足跡も無かったじゃないか…そもそも…なんでこんな田舎に……しかし俺はアレを良く知っている…

祠の前には、ついさっき誰かが雪の上に置いたとしか思えない

A n g e l   C l u b (良い子は知らなくて良い雑誌)
が鎮座していた

余りの出来事に目眩がして、目を瞑り頭を振って、もう一度前を向いた時には、AngelClubがその回りの雪ごとなくなっていた。

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