サンショウウオの幼生がいた場所

989 名前:本当にあった怖い名無し:2006/04/25(火) 14:33:58 ID:kkCiSaBL0
オカルトなことなんて全く信じてない俺が唯一遭遇した変な話をしてみる。

あれは初秋の頃だったかな。
その当時中学生だった俺はいつも一緒だったあいつと
いつも遊び場にしてた山にいつものごとく自転車で向かった。
空は気持ちよく晴れわたり体に当たる風も心地よかった。
登り坂をヒーヒーいいながら登りきりいつもの湖に着いた。
いつものように釣りを始めようとして行ったことのない脇道を見つけたんだ。

990 名前:本当にあった怖い名無し:2006/04/25(火) 15:10:27 ID:BlqO0umh0
それで?

992 名前:本当にあった怖い名無し:2006/04/25(火) 16:29:29 ID:Jw5umwQn0
行ったことのない脇道を見つけた変な話でした。

993 名前:989:2006/04/25(火) 17:27:32 ID:sdWH5wAh0
>>992
当たりw

つづき
その山は庭みたいな感覚だったし脇道なんて全部知ってると思ってた。
でもそこは覚えがない。
もしかしたらいいポイントが見つかるかもってことで行ってみることにした。
カブトムシの場所とか他のヤツラにばれてたからね。
ずんずん進む俺達。
快晴で日はまだまだ高い。
木は鬱蒼と繁って鳥の声も聞こえる。
2~30分した頃少し開けた場所に出た。
まわりは畑なんだけど何も植えられてない。
でも荒れてもいない。
斜面から湧き水が出ててそこにはサンショウウオの幼生がいっぱいいた。
小踊りして喜んだよ。
でも少し怖くなった。
なんだか虚ろな感じがしたんだ。
あれだけ晴れてた空が真っ暗に思える程曇ってる。
鳥の声も聞こえない。
物音ひとつしないんだ。
道はまだ奥に続いてたけど帰ることにした。
雨が降ると思ったし道は山奥にむかうだけそして何より怖かった。
よくわからないけど怖かったんだ。

994 名前:989:2006/04/25(火) 17:54:38 ID:sdWH5wAh0
つづき
何がでたわけでもないけど必死に道をもどった。
湖に出てほっとした。
空は綺麗に晴れわたっていた。
ほんのちょっとの冒険だと思ってたら夕方も遅くなってた。
少し変な気がしたけど次にサンショウウオを取りにいく話で盛り上がりながら帰った。
アイツの家に着いてアノ場所を地図で確認することになった。
アイツの父ちゃんから詳細な地図を借りて一生懸命探した。
無い。
そんな脇道なんて無いんだよ。
アイツの父ちゃんは山に詳しい人だけどそんな脇道は知らないって言うんだ。
次の日曜日朝から俺達は山に行った。
弁当とサンショウウオを捕まえる道具を持って。
でも脇道は無かった。

あれからもう十数年が過ぎた。
田舎を離れた俺はアイツとも疎遠になった。
帰省した時久しぶりにアイツに電話をしてその話をした。
なぜか話をはぐらかすアイツ。
会おうって言っても忙しいって言うだけ。
アイツはひとりであの場所へ行ったのかな。
何かあったのかな。

帰省する度あの場所目指して車で行ってみるけどやっぱりたどりつかない。
アイツとは疎遠なままだ。

995 名前:本当にあった怖い名無し:2006/04/25(火) 19:03:06 ID:pkYjNYQZ0
そういうウエルズの「くぐり戸(魔法の園)」っぽい話は好きだ。

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