変わった客

293 名前:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:04/01/31 00:14
知り合いの話。

彼は、今はもう使われていない小さな火葬場で働いていたそうだ。
その火葬場は小さな山を登りきった所にあり、訪れる者もそう滅多にいなかった。

それがいつの頃からか、変わった客が顔を出すようになったという。
仏が焼かれる時に、焼き場の周りを猫がぐるりと囲むようになったのだ。
そのうちに猫たちは、仏が出る前から集まってくるようになった。
猫の集まり具合で、近いうちに死人が出るなと判断できたくらいだったという。

火葬場が閉鎖されると、猫たちが集まることは無くなった。
猫が死者を送っているように見えたのがとても不思議だった、と彼は言っている。

果たして本当に猫は死者を送るために集まっていたのだろうか。


 

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