雲からの手

495 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/12/03 19:05
杣人に聞いた話。
梯子に登って枝を切っている最中、後ろから背中を叩かれた。
振り向くと、上の枝葉の間から異様に長く毛深い手が伸びている。
肝を潰した杣人が慌てて地上に下りてみると、
ちょうど、近くで仕事をしていた仲間が梯子を下りてくるのに出くわした。
血の気の抜けたような顔で、恐る恐る話しかけてくる。
「お前さんの後ろに手が伸びていただろう?」
杣人が頷くと、仲間の男は曇天の空を指差して言った。
「…その手、雲の中から出ていたぞ」

 

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