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517 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/07/05 22:29 ID:nI8jDpX+
- 先輩から聞いた話です。
仕事でとある山中の川に行きました。
船着き場から小さな手こぎボートで少し下流に下ったところに作業場所があり、
先輩と現地の案内要員のおじさんと現場を担当する営業さんの三人で向かったそうです。
その日は前日に大雨が降ったこともあり、それこそ足下も見えないような深い霧に
覆われていたそうな。都会育ちの先輩はそんな霧の山中に分け入ったことは当然のこと
初めてであり、何とも言えない不安感にさいなまれていたそうです。
で、川に到着して用意してあったボートに乗り込み、霧の中をえっちらおっちら
進んでいくこと数十分。
「まだ着かないんですか?」
「うーん、おかしいな、もうすぐのはずなんだがなあ」
心細い会話を交わしつつ、目の前の霧の中になにやら浮かび上がる影。
勇んで接近してみたら、なんとそれは先刻離れたばかりの船着き場ではありませんか。
「なんでやねん!!」
驚愕する一同。そりゃそうだ、川を下っていったはずなのになんで逆戻りしますか。
先輩と営業さんは心底震え上がってもう帰ろうと言い出しますが、地元民である案内の
おじさんが聞きません。「こんな馬鹿なことがあるか、何かの間違いだ」と言い張って
再度川へどんぶらつんぶら。先輩と営業さんは心細さに思わず手を握り合う始末w
しかしながら再び川の流れに身を委ねること数十分。霧の中に見えて来たのは・・・
「やっぱり元の場所だ!!」
そこでさすがにびびった一同、諦めて山を下り宿に帰ったそうです。
翌日、綺麗に晴れ上がって霧も晴れたのでおそるおそるまた同じ場所に行ってみたのですが、
今度は苦労もせず現場にたどり着くことができたそうです。
「あの霧がなにか隠そうとしていたのかねえ」
先輩は10年経った今も、折に触れてぽつりと話してくれます。
それでも、後輩の自分が数年後、某ダムで沼御前に間違えられそうになるとは想像もしなかったでしょうねw