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- 520 :底名無し沼さん :2005/09/17(土) 18:32:31
- 俺が源流釣りをしていた時のこと
2泊の予定で入渓したが、1泊目の夜もの凄い
夕立になってしまった 沢は大増水し、下る事
が不可能になった テン場のすぐ近くまで水が
来はじめたのであわててテン場を撤収し高台へ
逃げた 暗闇のなかヘッ電だけをたよりに崖
を這って登りようやくちょっと平らな所を見つけ
ビバークすることにした
後に続く 晩飯食ってくる
- 534 :520の続き :2005/09/18(日) 13:19:41
- その日は台風でもなく、梅雨時の集中豪雨でもなく単に夕立と
いうやつだったが、まあ念のため、テン場を撤収して高台に
避難したわけだが、ビバーク地はやや傾斜があり寝るのには
快適とは言えない場所だった 横になっていると体がだんだん
下にずり落ちるという状態だった 相棒も寝付けないらしく
もう一度酒を取り出して一杯飲ることにした するとそのころ
には雨もあがりあたりにはモヤが立ちこめてきた テントの外
で飲んでいると対岸で明かりが見えると相棒が言い出した
- 535 :520の続き :2005/09/18(日) 13:31:24
- どこに? と俺が見てみると何にも見えない 我々の他には
入渓者がいなかったはずだから、月か星の反射だろうと俺は
言った 相棒は確かに見たと言ってきかない それにわずかに
動いていたからあれは人間しか考えられないと・・ ところが
対岸はこちらと違って急斜面というより崖に近いようなところで
そんな場所をわざわざ夜に避難するはずがないじゃないかと、
俺は相手にしなかった
すると相棒が「ほら、あれだ!」と指を指した 今度は俺にも
見えた 白っぽい明かりが3つ確かに見えるし、少しずつだが
確かに動いている やはり俺たちの他に入渓者がいて、間違えて
反対側の高台へ登ってしまったんだと思った こちらのテン場の
明かりを見つけて近づいて来たんだろう 俺たちは「お~い」と
声を掛けてみた しかし向こうからは反応がない まだ距離が
あるからかなと、俺たちが少し下って近づいてもう一度声を掛け
た 今度は十分近いところなので聞こえたと確信があった
- 536 :520の続き :2005/09/18(日) 15:15:09
- 俺たちの声が聞こえているはずなのに、やはり反応が
ない おかしいなと思いながらその灯りをずっと見て
いた するとどうも妙なことに気づいた どうもヘッ
電の灯りではないようなのだ ましてや星や月でも
ない 焚き火ほどではないがゆらめいている それに
もまして灯りのある場所は崖のまっただ中だった
俺たちは「???」という状態だったが、次の瞬間に
鳥肌が立ち始めた ひょっとしてあれが人魂か?
相棒と這うようにテントに戻り振り返ってみた やはり
木立の向こうに灯りがゆらめいていた しかしその後
数分ぐらいだったと思うがそいつがだんだん小さくなり
そして消えてしまった その夜はもう寝るどころではな
く、酒も喉が通らなくなってしまい、アレの正体を相棒
と話し合った 「まさか人魂なんて」「ひょっとしてあ
れが燐が燃えるというやつだろうか?」「動物の目ほど
小さくはなかった」「モヤがかかっていたが、灯りがあ
り、ゆらめいていた」
結局結論が出るはずもなく 翌日すぐに撤収すること
にした 今でも相棒とあの出来事については、鳥肌を立
てながら、不思議だなぁと言い合っている
- 537 :底名無し沼さん :2005/09/18(日) 15:25:44
- ただの狐火じゃない?