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- 826 :本当にあった怖い名無し :2005/07/11(月) 21:20:23 ID:KunMkVgo0
- あんまり怖くはないですが、小学生の頃の思い出話。
家から歩いて10分ぐらいのところに、小さな山があった。
今思うと「山」なんて呼ぶには小さすぎたが、小さいなりに草木が生い茂り、
小学生の探検ごっこにはもってこいだった。
ある夏の日、一人でそこに虫取りに行ったときのこと。
いつも通る小道を登っている途中、ふと脇の方にのびている細い獣道のような
道が目に入った。
「あれ?こんな分かれ道、前来た時あったかな?」と思ったが、どこにつながって
いるのか興味が湧き、そちらに進路を取った。
5分ぐらい歩いただろうか。その道は古い石作りの門の前で終わっていた。
苔むした門には扉はなく、向こう側には手前の獣道とは明らかに違う石畳の道が
のびている。その先は一際深い茂みで、中に何があるのか全く見えない。
「こんなところに家とかあるのかな?」と門に近づいたその時、茂みの中から
雪のように真っ白な猫がするりと現れて、石畳の右端に座ると私の顔を見て
「ニャー」と鳴いた。
すると今度は白黒のぶち猫がやってきて、同じように石畳の左端に座り、私に
向かって「ニャー」と鳴く。
なんだなんだと思っていると、次には三毛猫が出てきて、最初の白い猫の奥に
並んで「ニャー」。続いて真っ黒い猫が出てきて、ぶち猫の奥に並んで「ニャー」。
そこまで見た時点でなんだか怖くなり、振り向かずに一目散に逃げ帰った。
その後、友人達と何度もその山を訪れたが、あの門に続く獣道はどうしても見つからなかった。
あの猫たちは私を門の奥に招き入れようとしていたように思えるのだが、
あの門の向こう側には一体何があったのだろう。
猫たちはみんなふっくらとして毛艶もよく、野良には見えなかった。