菓子類

581本当にあった怖い名無し [sage] :2005/11/19(土) 17:33:54 ID:zEOsGJOx0
親父殿に聞きました。

母ちゃんの実家は佐渡島の山奥にある。
この山奥っぷりというのが半端ではなく
麓の「お隣さん」まで原チャリを飛ばして20分かかるという
ほんと~に辺鄙な所にある。
これ、前置きね。

昔々、親父殿と母ちゃんが結婚する前の話。
母ちゃんの両親にご挨拶するために、親父殿の運転で
その辺鄙な山道を車で登っているとき、異変が起こった。
助手席で寝ていた母ちゃんが、突然に
「だめよ!後で!!」
と大声で叫んだそうな。
その声にビックリしたものの、寝言だろうと思って
そのまま運転を続け、無事に母ちゃんの実家まで辿り着けたそうな。
車から降りると、母ちゃんは土産物を積んだトランクを開け
「あぁ~、やっぱりやられたぁ。夢じゃなかったのねぇ。」
と残念そうに言ったという。
何事かと親父殿もトランクを覗き込んだのだが、そこには
土産物として持ってきた菓子類が食い荒らされ、残骸が散らばっていたという。
「寝てたらねぇ、後部座席に小さな子供達が座ってお菓子を食べてる光景が見えたのよ。
これは山のタヌキだと思って怒鳴ったんだけど・・・遅かったわぁ。」
と、さして怖がる風でもなく語る母の姿に、なんだか人外魔境に
迷い込んだ気分になったと親父殿は語るのであった。

582本当にあった怖い名無し [sage] :2005/11/19(土) 17:37:11 ID:zEOsGJOx0
ちなみに親父殿は、その時になんとなく
「なんでキツネだと思わなかったんだ?」
と尋ねたそうな。

そしたら母ちゃんは
「佐渡島にキツネはおらんのよ。昔、領主に悪さして追い出されたんだって。」
と、これまた事も無げに語ったそうな。

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